訃報に接して
コメディアンのかたの訃報を耳にするたびに、落語家の桂枝雀のことを思い出します。爆発的な笑いを生むその落語は余人をもって代えがたく、現在に至るまでまさに唯一無二の落語家でした。
笑いとは何か、そして人間とは何か、それらを極限まで突き詰めた結果、彼は精神を病み、うつ病を発症、最後には自ら命を断ってしまいました。
ハリウッドで俳優として高い評価を得つつ、もともとはスタンダップコメディアンとしてそのキャリアをスタートさせたロビン・ウィリアムズ。彼もまた、自身の人生の幕を自ら下ろしました。
2人とも60歳前後で、観ている方からすると、これからさらに円熟した芸や演技を見せてくれると思えただけに、残念でならなりません。
新型の感染症が蔓延し、世の中の閉塞感が当たり前のようになって約2年。その間にテレビのあり方も大きく変わり、芸人として、思うところもあったのではないかと、外野ながら思いを致す次第です。