『図書館の大魔術師』考察ブログ

~しがないつぶやき【Z:sub】~

憲法記念日に寄せて

憲法記念日です。

 

塾屋としては、1946年11月3日の憲法公布日と、1947年5月3日の憲法施行日を間違わずに覚えておきなさいよ、と生徒諸君に教えるのが常のことです。公民のテストにおける定番ですから、中学生諸君には是非ともご記憶願いたいところです。

 

なぜ憲法の公布日ではなく、効力の発生した施行日が「憲法記念日」なのか、自身が中学生の時分から不思議に思っておりました。11月3日が文化の日で、もともと明治天皇の誕生日たる「明治節」と同一になったのは、あくまでも偶然であったようです。

 

ぼくは大学で法学部でございましたから、当然のごとく憲法について一通りの基本を学ぶ機会がありました。おまけに高校では文系、社会科2つ目の科目に政治経済を選択しておりましたので、それ以外の科目を選択した人々よりは、いささか多くのことどもを勉強したと言えるかもしれません。

 

日本国憲法についてある程度のことを学校で習うのは、多くの場合、中学生の頃であろうと思います。ただ、憲法の三原則であるとか、基本的人権だとかいうものを言葉として学びはしても、憲法がどういうものであるとか、どういった政治課題があるかとかいうようなことを、中学校の公民で勉強することはついぞございません。無いというよりは、教えられる者がいないというほうが適切かもしれません。

 

もちろん、純粋なる中学生諸君に、一面的で偏った知識を植え付けられるよりはマシと言えるのかもしれませんが、18歳選挙権が施行された現在、インターネット上に溢れる流言飛語などではなく、偏りの無い一般論としての憲法の知識を、中高生が学ぶ機会があってしかるべきだと思います。

 

日本国憲法の抱える諸課題は極めて政治的なものです。有権者には、それを自分たちで考える、それができるだけの知識・情報が必要です。本当の意味での有権者教育とは、日本や世界が抱える諸問題について、これからの世代にありのまま伝えることではないか、などと考えたりするのです。