『図書館の大魔術師』考察ブログ

~しがないつぶやき【Z:sub】~

中世日本に思いをはせる

■ このごろ中世日本がなんだかアツい

今年の大河ドラマは、タイトルが『鎌倉殿の13人』。

主人公は幕府2代執権・北条義時

頼朝による鎌倉幕府の創業から、北条一門の支配確立までが描かれるようです。

2022年は頼朝が征夷大将軍に任じられてから830年と端数がそろう年ですから、ある種のアニバーサリーイヤーと言えましょうか。

 

そういうトレンドを意識してなのか、週刊少年ジャンプで現在連載中の作品に『逃げ上手の若君』があります。こちらは一方で、物語の冒頭で鎌倉幕府が滅亡、そこから室町幕府の設立にいたるあたり、『太平記』に記された南北朝時代が舞台です。

作・松井優征。既刊5巻(2022年5月末現在)。


僭越ながら少しだけ内容を紹介しますと、後醍醐天皇の挙兵と足利尊氏(当初は「高氏」)の寝返りによって一族を滅ぼされた北条の遺児・時行が、一門と鎌倉幕府の再興を目指して「中先代の乱」を起こす様を、フィクションを織り交ぜながら描いていきます。

 

各巻末には、読者の理解がより深まるように、歴史学者本郷和人氏による解説が掲載されていて、劇中の用語や当時の風俗・慣習などが説明されています。マニアやオタクにまで達しているような人からすると、説明に「?」がつくことも所々あるのですが、入り口・入門としての位置づけで見るならば、テレビで時代劇がほとんどなくなってしまった昨今、歴史に親しむという点において、とても意味のあるものだと思います。

 

実は、個人的に「南北朝時代」には非常に親近感があります。

ぼくの名字は、全国で30件くらいという地味に珍しいものなのですが、『太平記』において、足利尊氏が京都で挙兵におよび、六波羅探題を攻める際、馳せ参じた武士なかに同一の姓を持つ人物の記述があるのです。まァ、『逃げ若』では足利尊氏が敵役ですから、少しだけ複雑な気分にはなるのですが。

 


■ 想像力を掻き立てる時代

源平の合戦や南北朝の動乱などは、古くから創作の題材となってきました。能・狂言、歌舞伎、浄瑠璃、講談、落語、さらにそこから派生する小説、舞台演劇、映像作品。

 

現代に伝わっているのは歴史的事実だけで、しかもこのあたりの時代の検証は、まだまだこれから研究・議論がすすむジャンルでもあり、だからこそ、人々の想像力を掻き立てるのかもしれませんね。

 

そういえば、ぼく自身も鎌倉時代のことがらについて、過去に記事を書いたことがあります。よければこちらも。

note.com