『図書館の大魔術師』考察ブログ

~しがないつぶやき【Z:sub】~

【県教委発表】「香川県 公立高校入試の内容見直し」について

香川県教育委員会から、令和5年度の公立高校入試の要綱が公表されました。

それと同時にその内容、とくに「自己推薦」の見直しについても、今回公式に言及されましたので、その詳細について少し検討しておきたいと思います。

 

 

■ 「入学者選抜の見直し」要点まとめ

今回の「見直し」は、公立高校の自己推薦入試について、令和5年度からその内容を見直すというものです。箇条書きで要約すると次のとおりです。

  • 実施校に高松西・坂出を追加
  • 自己PR書の様式と、面接の質問事項を変更
  • 定員に対する自己推薦枠の拡大(MAX 50%)
  • 学区外の普通科も受験可能に

このなかで、自己推薦の実施校に西と坂出が追加されたことと、定員に対する自己推薦合格者の割合が拡大されることは、同様の理由からきていると考えられます。

県全体における中学生人口の減少に加えて、かつてのような無条件の「公立信仰」とも言える意識が、ここ数年で徐々に変化してきていることによって、公立高校とて定員割れを避けるために、生徒数の確保が課題となっているのです。このような昨今の実情を鑑みれば、きわめて自然な流れと言えるでしょう。

 

実際の受験を考える場合、より注目しなければならないのは、じつは残りの2つだと思うのです。とくに自己PR書については、単なる様式の変更以上に大きな影響があります。

 

 

■ 面接の練習は入念に

じつは、香川県の公立高校入試において、面接の質問事項というのはすでに決まっています。毎年10月末頃に公表される「実施細目」には次のように書かれています。

  • 進学の目的、高校生活への期待及び将来の希望等進路に関する事項
  • 中学時代にいちばん力を注いだこと、印象に残ったこと及び総合的な学習の時間における学習活動など学校外での活動に関する事項
  • 学科の特色に応じた事項
  • 言葉による自己アピール

つまり、今回の「見直し」にわざわざ「『自己PR書』等の内容に即した面接を行う」と明記するということは、これまでの面接は、自己PR書がどんなに良く書けていても、実際には何の意味もなかったということを白状してしまっているも同様なのです。

 

しかし、これからはそうはならなくなるということでしょう。自己PR書の中身も、締切前にあわてて書くのではなく、担任・進路指導教諭そして塾講師・家庭教師などと相談しながら、綿密に仕上げる必要があります。

なおかつ、自己PR書に書かれている内容と面接時の受け答えに食い違いがないように、複数の大人を相手に、入念に練習しておかなければなりません。これまでのような即席の対応では、合格は難しくなると思っておいたほうがよさそうです。

[筆者のつぶやき] ミンナニ ナイショ ダヨ ↓

おおっぴらには言えませんが、ぼくは自己推薦を「出来レース」であると認識しています。少なくともこれまではそう認識していました。

自己推薦で合格する生徒は、部活の大会の成績などで試験の前からすでに決まっていて、面接も学力検査も、試験を実施したという既成事実を作るためでしかないのです。それで8~9割がた定員は埋まってしまうので、ガチンコで受ける生徒は、残された1~2名の枠を争奪することになります。ゆえに正味の倍率は公表の10倍くらいに跳ね上がります。そんなもの受かるわけがない。

あくまでも筆者の憶測ではあるのですが、多くは間違っていないと思っています。

だから筆者は塾屋として、自己推薦に落ちてショックを受けるくらいなら、初めから受けずに一般入試の対策に専念するべし、と考えています。ただ、これから自己推薦のあり方が大きく変わっていくのであれば、それはそれとして戦略を練る必要があるかと思います。

 

 

■ やっぱり学力は必要

自己推薦入試は、一般的な意味で言う推薦(学校推薦)と違って、基本的にどの生徒も出願することができます。ゆえに、中学生の多くは「あわよくば」を考えるわけですが、やはり現実はそんなに甘くないのです。

 

選抜である以上、そこには厳然たる順位付けがあります。一般入試であれば、当日の学力検査の結果と内申点を両方参照することになりますが、推薦入試の場合、主として参照するのは正味、調査書だけです。他に自己PR書もありますが、数値データは調査書に記載されている内申点しかありません。

 

内申点とは、すなわち5段階評定の合計です。ということは、やはり中学1年の最初から、定期テストの各回を大切に、毎回きちんと点数を取る必要があります。英検だ、漢検だなどというのは内申点の総計からすれば微々たるものです。英検3級を取るよりも、定期テストでコンスタントに80点以上を取るほうが、内申点を確保するうえで重要なのです。

 

今回から自己推薦枠が拡大されるということは、これまでのように、部活でそれほど際立った成績がなくても、それ以外の観点で受験できる機会が増えるかもしれません。ただそれでも、基本的な学力というものは(高校入学後のこともあるから)必須として求められるわけで、受験は中学校3年間の地道な積み上げであるという、厳然たる事実は変わらないと思うのです。

 

 

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