『図書館の大魔術師』考察ブログ

~しがないつぶやき【Z:sub】~

今日から夏期講習

■ 夏期講習です

学校の夏休みは多くが7/21(水)から始まっているようですが(高松市)、ぼくの勤めている塾では本日から夏休みの体制に切り替わりました。塾にとっての学校の夏休みは、すなわち「夏期講習」の期間であり、どの塾にとっても、いわゆる“書き入れ時”です。

 

おもに中学3年の受験生にとって、夏休みというのは中1から中2までの内容を、一気に復習するための期間となります。この15歳の夏だけは、おそらく人生で一番勉強をすることになるでしょう。もちろん大学受験のときのほうが物量面では圧倒的に多いと思いますが、これは体感の問題でして、大学受験の夏ともなると、これはもう呼吸をするかのように勉強することになるので、なるべく避けたいと思っている勉強に、エイヤッと取り組むことへの労力については、高校受験のほうがまさっていると個人的に思います。

 

ただ、夏休みの始まるこの時期は、県総体の開催時期ともかぶっているので、多くの中3生は、この総体で部活が片付いてからでないと、受験勉強に取り組む姿勢にはなかなかなりません。この傾向は年々顕著になってきていて、塾に通い始めるのが中学3年の秋から、という子もずいぶん増えてきました。

 

現実を言えば、多くの中3生が本当の意味で「受験生らしく」なるのは、年が明けて1月に私立の受験を経験してからというのが相場です。親御さんの意識がそれなりに高くなければ、塾に通い始める時期はどんどんうしろずれしていきます。

 

塾屋の本音としては、秋から塾に来られても、現状を維持するのが精一杯であるというのが正味な話でして、遅くとも中3の4月にはスタートしてもらいたい。もっと本当の本音と言うと、中学3年間をまるごと面倒みたいのですが、現実はままならないものです。

 

 

■ 夏期講習と塾の利益は表裏一体

ただまァ、こんな大々的に「夏期講習」と銘打ってやるようになったのは、2000年代後半、チェーン展開する学習塾が増えてからだと思います。ひと昔前、まだまだ塾はオジサンが1人でやるものだった時代は、夏休みだろうと冬休みだろうと、何か特別に講習仕様の時間割になるなんてことはなかったはずなのです。

 

これはひとえに、塾が会社として利益を求め、組織が拡大していったことが要因です。オジサンが1人で個人事業としてなりわいにするのなら、もちろんある程度の生徒数は必要になりますし、やり方も考える必要がありますけれど、普段の月謝だけでどうにかなるはずなのです。

 

それが、店舗を借り、設備を整え、外部のシステムを導入し、事務方の人を雇うことで、個人の店だったものが会社組織となり、そうなると給与というかたちで安定的に毎月払うもののほかに、賞与というものも求められてきます。実際、チェーン展開している学習塾の賞与は、夏期や冬期の講習による収益から賄われていることがほとんどではないでしょうか。

 

塾は言います。お子さんの勉強時間をきちんと確保しましょう。塾に預けておけばテレビ・ケータイといった誘惑から切り離せますよ。この夏が勝負です。どれも決してウソではないのですが、それだけが本音ではないということも、また然りなのでございます。