ゲーセン遍歴 ~クレーンゲームは三つ指で③~
昨年は鬼滅の刃が爆発的に流行りましたが、アマノジャクなぼくは、アニメを1秒も見ていないし、原作マンガも全然読んでいないのです。でも流行とは恐ろしいもので、ゲーセンに行ったら景品が“鬼滅”関係のものしか置いてない。
ファンでもないのに1発で取れてしまって、なんだか申し訳ない気持ちになったのでした。
“鬼滅”をまったく知らない人間でも、これだけ巷で騒がれると断片的に情報は入ってくるもので、鬼と化した妹・禰豆子を、主人公である兄・炭治郎が背負うときに「箱」に入れるくらいのことは、ぼくでも知っているのです。
これはそれを模したリュックですが、肩ひもは非常にちゃちな作りで、サイズも幼稚園の年長くらいでないとしっくりこない感じで、まったく使い道がありません。どうしたものか。
禰豆子の着物、麻の葉紋様の化粧箱。
これも、いい歳のオッサンには使い道がない。
“鬼滅の刃”の舞台が大正時代であることから、伝統的な和柄が各キャラクターのアイコンとして使われています。市松紋様や鱗紋様などの和柄が見直されるきっかけになったようでなにより。
カリン様の招き猫。
ぼくがクレーンゲームをするときは、その景品がほしいかどうかよりも、どちらかと言うと、その景品なら取れそうだ、という基準でプレイの是非を判断することが多いのですが、これは見た瞬間に「ほしい」と思いました。
フィギュアなどにもあんまり興味を惹かれないのですが、ぼくの中での数少ない例外として、部屋の一角に鎮座しています。
クレーンゲームで手に入れた景品は、まだこの倍くらいあるのですが、姪にあげたり友人知人にあげたりで、すでにぼくの手元にはありません。一時は車の後部座席に山盛りになるほど乗せていたこともあって、知人から「何かのまじないですか」と言われたりもしたのですが、ブレーキをかけるたびに転がり落ちるのを積み直すのがアホらしくなって、多くは手放してしまいました。
ゲーセンに出入りしたくなる欲求には波があって、ここ最近はそばを通っても、惹かれるものがないというか、気持ちが乗らないので、しばらくプレイしていません。ゆえに、このゲーセン遍歴シリーズは、いったんここで「完」とします。ぼくの気持ちが上がったときに、またお会いしましょう。